1. はじめに
6 月に GTD テンプレートをスプリント対応化させています。その時の記事はこちら
- GTDテンプレートのスプリント移行(1) https://www2.metro-cit.ac.jp/~hkob/posts/2023060100/
- GTDテンプレートのスプリント移行(2) https://www2.metro-cit.ac.jp/~hkob/posts/2023060300/
- GTDテンプレートのスプリント移行(3) https://www2.metro-cit.ac.jp/~hkob/posts/2023060800/
1週間単位でスプリントを管理する仕組みは上で説明している通りで、この部分は現在もそのまま残っています。ただし、スプリントの更新時と俯瞰する時のみ見る感じになっています。このためページの最下部の方に鎮座しています。スクリーンショットはこんな感じです。
詳細については上の記事を参照すればわかりますが、概要はこんな感じです。
- スプリントは1週間単位で運用します。スプリント名は YYYY-WW で作成しています。この記事の執筆時点では、「2023-35」となっています。
- 学校現場では曜日ごとに作業が決まっていることが多いので、曜日をもとにしたプロジェクトを用意しています。
- 日付が結びついているタスクについては、自動的にプロジェクトに結びつく仕組みがショートカット (CalendarToSprit) で作成されています。CalendarToSprint では今週及び翌週のタスクが、それぞれ現在のスプリント(Current)及び次のスプリント(Next)に自動設定されます。このとき、Sprint 名も適切に自動的に設定されます。
- 翌週分のスプリントが事前に設定されているので、「スプリントを完了」とするとスプリント名や日付などを手動で設定する必要もありません。日付に紐ずくタスクも正しくプロジェクトに割り振られて表示されます。この段階で CalendarToSprint を実行することで、翌週分のスプリントが新規に準備されます。また、先週から新しく追加されたカレンダーイベントも、今週及び来週のスプリントに再度割り当てされます。
この仕組み自体はかなりうまく動いているのですが、やはり「次のアクション」と「いつかやる」がはっきり見えた方が楽なので、今回のデータベースオートメーションの導入にあたり、その辺りのインターフェースを作り直してみました。
2. 次のアクションの再設置
次のアクションは、今日作業できるはずのタスクが並んだ一覧になります。すなわち、現在のスプリントのうち、今日の曜日のプロジェクトに所属するタスク一覧に相当します。フィルタのプロジェクトについては、動的に変更することができないので、朝一度だけ Project のフィルタを変更します。
カレンダーに結びついた今日のタスクは自動的にこの一覧に表示されています。また、その日に急遽実施することになったタスクは、ここで「新規」とすることで自動的に「現在のスプリント」「今日のプロジェクト」が自動設定されることになります。
また、次のアクションの下の部分には「やり残しタスク」をトグルに隠して置いています。ここには、完了していない今日より前の日付が書かれたタスクが表示されています。このタスクをドラッグして次のアクションに移動することで、プロジェクトが差し替えられます。邪魔なので、通常はトグルで閉じています。日付が設定されていないやり残しタスクはここに出てきませんが、これらについては先に示したスプリント俯瞰で対応します。
3. 時間自動記録の設定
これまで開始時刻・終了時刻の設定はボタンを利用していましたが、今回はこの部分をオートメーションに置き換えました。このデータベースには二つのオートメーションを設定しています。ひとつが Set start time、もう一つが Set end time です。
Set start time オートメーションでは、Status を In progress に設定した場合、Start date を「今」に設定し、Finish time (Button) をクリアします。
一方、Set end time では、Status を Complete に設定した場合、Finish time (Button) を「今」に設定します。
4. 現在作業中タスクの表示
次のアクションで In progress にしたタスクは現在作業中のブロックに表示されます。なお、このビューは参照専用なので、間違えて「新規」を押せないようにしています。これはロックされたページに作成したギャラリービューを置き、同期ブロックで表示することで実現しています。
ボタン運用の場合には、Action チェックボックスにチェックをしていたものが表示されていました。Action チェックボックスに依存しなくなったので、複数のタスクを同時並行で「作業中」扱いにできるようになりました。
このため、次のアクションのタイムラインはこんな感じで「神戸出張」という全体タスクの中に研修や分科会のサブタスク相当のものが存在しています。ちなみに出張タスクは今日も継続なので「Thursday」プロジェクトも追加してみました。Action ボタンの時には同時に一つのタスクしか作業中に設定できなかったので大きな改善です。
5. 「いつかやる」タスク
特に日付が決まっていない「いつかやる」タスクについては、次のアクションのすぐ下に置いてあります。これらは日付もスプリントも設定されていないタスクになります。これらのタスクは直接入力することはほとんどなく、以下のような簡易タスク入力システムで登録されます。
- TextToNotion: クリップボードのテキストをタイトルにしたページを作成するショートカット (基本的に macOS で実行)
- 声でタスク登録: 声で話した内容をタイトルにしたページを作成するショートカット (基本的に Apple Watch で実行)
これらの「いつかやるタスク」はスプリントもプロジェクトも設定されていないので、次のアクションに昇格する時には、上のタイムラインビューにドラッグします。このビューは、スプリントとプロジェクトがフィルタ設定されているため、ドラッグした時点でこれらのプロパティが設定されることになります。
6. おわりに
スプリントの運用で一時的に「次のアクション」「いつかやる」タスクの立ち位置がわかりにくくなっていました。やはり GTD 的にはこれらが明確に見える仕組みがある方がやりやすいことがわかりました。今回のデータベースオートメーションで、これらの仕組みが非常にやりやすくなりましたね。
今回、テンプレート配布まで実施する予定でしたが、これを運用するのであれば個人的に使っている CalendarToSprint ショートカットも配布しないと片手落ちになると思いました。こちらの配布準備も含めて配布したいと思います。もう少しお待ちください。