本研究室では,平成28年度より平成31年度まで,福島工業高等専門学校からの委託を受け,福島第一原発の廃炉に関する研究を行ってきました.
プロジェクトの正式名称は「廃炉に関する基礎研究を通じ創造的人材育成プログラム - 高専間ネットワークを活用した福島からの学際的なチャレンジ -」です.
名称から分かるように,全国の高専が参加して,廃炉を安全に実施していくための方法について,それぞれの専門分野で研究が行われました.高専だけではなく,企業,大学,そして,国際廃炉研究開発機構(IRID),国立研究開発法人
日本原子力研究開発機構(JAEA)などが参加しました.
得られた研究成果は,今後,福島第一原子力発電所の原子炉廃炉を安全に展開して行くために必要な基礎的データを蓄積するとともに,本プロジェクトで開催された「廃炉ロボコン」の人材育成プログラムの展開などにより,原子炉廃炉,原子力関係に関わる若い人材の育成に効果を上げています.
産技高専・吉田で研究室は,核燃料デブリのサンプリングのために炉内挿入用の小型放電加工機の試作を目標に研究をしてきました.核燃料デブリの素性が不明です.導電体なのか絶縁体なのかも分かっていません.このような素材に放電加工を行うには,絶縁体であっても放電加工が行えなければなりません.このような背景から,吉田研究室で研究している絶縁体工作物の放電加工技術に注目されました.また,廃炉ロボコンにも参加し,原子力に関わる学生の育成にも関わっています.