Papers 3 から Mendeley + Liquid Text への移行

iOS macOS 2018年 12月 7日

Papers 3 との離別

連載は1日休んで,ここ数日のドタバタの紹介をする. これまで論文の管理はずっと Papers 3 というアプリを使っていた. Papers 1 の頃から更新しながらずっと使っていた. 以下のようなところが結構便利だった.

  • macOS と iOS で共に使え,iPad Pro では Apple pencil を使って PDF へのアノテーションができる
  • (他人に渡す時のために)アノテーションなしの PDF も書き出せる
  • PDF 内のテキストを串刺しに検索できる
特に最後の串刺し検索がかなり便利で,あまりじっくり読めてない時でも欲しい情報がかなりピンポイントに見つけられていた.

macOS Mojave になり,様々なアプリがダークモードに対応していく中,一つ真っ白な画面が悲しかった. 開発元の情報でも見に行こうと papersapp のサイトにアクセスして唖然とした. 右上には見たことのある Readcube のマークが出ており,Papers 3 の文字はどこにもなかった.

色々と調査したところ,Papers 3 と Readcube のアプリが合併し,サブスクリプション制度に移動するとのことであった.

  • Pricing によると,一般ユーザは月5ドルのサブスクリプション
  • FAQs for the upcoming ReadCube Papers App によると,Papers 3 ユーザには36ドル/年の特別サブスクリプションは用意するとのこと
どちらにしても,サブスクリプションに移行することは確定のようだ.容量が無制限なのはよいのだが. Papers 3 も使い続けてもよいよとは書いてあるが,機能追加などは Readcube papers のみになるとのこと.

移行先の検討

今年度になって法人図書館が Mendeley の機関版を利用可能にしてくれた( 産技高専図書館: 文献管理ツールMendeleyの機関版が利用可能になりました ). せっかく利用できるようにしてくれたのならということで,早速使ってみた. 機関版であれば,共有容量は 100GB までということで問題ないと思われる. macOS 版については,PDF の串刺し検索ができない以外では問題はなさそう.

ただし,iOS 版はかなり不安定だった.どうしても立ち上げ後の同期開始で不安定になる. さらに,PDF へのアノテートも Apple pencil による書き込みはできず,ハイライトとメモ追加のみ. Mendeley 単発での運用は不可能と判断した.

iPad 版の Mendeley の不安定さに根を上げたため,アノテーションは別アプリに分けることにした. macOS 版の Mendeley では,PDF 置き場を自由に設定できる. そこで,G Suite の特権である ドライブファイルストリーム を利用して,外部マウントした Google ドライブに PDF を置くようにした. こうすることで,iPad で便利に利用していた Documents (内部に PDF Expert の機能を含む) で,Apple pencil によるアノテーションが自由でできると考えた (Documents は Google ドライブをマウントして,そのまま編集できるため).

Liquid Text との出会い

PDF の串刺し検索ができなくなったので,もう少しちゃんと論文を読みこなさないといけなくなった. Documents によるアノテーションよりももっと効率のいいやり方がないかと Active Reading で調べていたところ,iPad のアプリで LiquidText というものに行きついた. 説明するよりも,以下の Youtube ビデオを見てもらうのが一番早いと思う.少し使って満足してしまい,そのまま 3,600 円を即課金してしまった.

現在の流れはこんな感じになる.

  1. 論文の PDF を macOS 版の Mendeley に登録
  2. 論文情報が正しくなければ手動で訂正
  3. /Volumes/Googleドライブ/Mendeley の下に論文情報に基づくファイル名で PDF が配置される.
  4. iPad の LiquidText で Google ドライブから PDF ファイルをインポートする.
  5. 頑張って Active Reading する.
  6. 課金したので,複数の論文間でリンクを貼ったりもできるようになっている.

とりあえず初めてみたばかりだが,いい感じで使えそうな気がする.