卒業研究
"複数の全周囲画像を用いた人物の姿勢推定"

近年,天井に取り付けたカメラの画像から人間を特定して,
位置や移動経路などの情報を把握するシステムが開発されています.
特に全方位カメラは監視範囲を広範囲にカバーできるため,
非常に有力な入力装置として注目されています.
しかしながら,対象人物の姿勢解明に至っては,
全方位カメラの画像に極端な射影ひずみが発生するため,
座位や立位などの簡単な姿勢でさえ明確に判断することが困難でした.
そこで我々は撮影された人物の体形を4分割の円筒モデルにあてはめ,
姿勢に対する頭部と足部の特定を行うアルゴリズムを開発しました.
また,部屋の四隅に設置された複数台のカメラ画像から頭部の高さを推定して,
立位や坐位などの姿勢推定を試みました.



特別研究(現在研究中)
"複数の全周囲カメラを用いた人物の位置と姿勢の同時推定"

前年度の研究に,ロボットの自己位置推定などに用いられるParticle Filter法を組み合わせ,
連続的に人物の位置を追跡しながら,姿勢を推定することが可能になりました.
Particle Filter法を組み合わせることで,画像内の人物位置を前フレームの位置から推定できるため,
人物の探索時間を大幅に短縮することができ,人の居る室内を撮影した全周囲動画から,
人物の動線,それぞれの位置ごとの姿勢の変化を捉えることができます.




さらに現在は,このシステムによって得られるデータを応用して,生活行動における人物の異常行動
(倒れたり,うずくまったり)の自動検出を試みています.

通常,室内にいる人物は,それぞれの家具の前ではある程度決まった行動をとるため,
家具と人物の姿勢の間には関係性がうまれます.(台所では立位,椅子では座位 など)
急な体調変化でうずくまったり,躓いて転倒した場合は,家具と姿勢の関係が崩れるので,
人物の位置と姿勢を追跡していくことで,異常行動を検出できると考えています.

しかしながら,家具の位置や部屋の間取りは住宅ごとに異なり,家具の位置がわかりません.
そこで,家具と姿勢の関係性ではなく,カメラに対する位置と姿勢の関係性から,
通常の生活行動に対する人物の異常行動を捉えようと試みています.

通常の生活行動は,システム稼働中に得られる人物の位置と姿勢データから学習します.
学習に用いるネットワークを姿勢推定部と位置推定部に分けることで,部屋の間取りに依存しない
姿勢推定のみを前もって学習させることができます.





いままでやったこと、つくったもの(あそんだこと)
ツイートの品詞数え上げツール


"Twitter"のツートログ管理サイト"Twilog"から、特定のIDのツイートのみを抜き出し、
品詞ごとに分類、数え上げるプログラムを作りました.このプログラムは、投資家などのツイートから
企業の株価変動を予測するために作りました.

OculusRiftを使った簡単な体感ゲーム


OculusRift(ヘッドマウントディスプレイ)を用いた体感型ゲームを作りました.
このゲームは手で操作するコントローラは無く,体の重心や頭の向きのみでキャラクター(プレイヤー)を操作して,
次々と迫りくる弾を避けるゲームです.直感的な操作とヘッドマウントディスプレイの没入感が合わさり,まるで
ゲームの世界へ入り込んだような体験ができます.


さらに,この技術を用いてバーチャル空間上のモデルルームを自由に歩き回れるアプリケーションを作りました.
引っ越し先の下見やリフォーム後のイメージなどをVR空間上で体感できます.