卒業研究

概要

近年,認知症患者数の増加が問題視されている.この認知症の早期発見は家族が物忘れの増加等の対象者の変化に気づくことでなされている。物忘れは先ほどまで行っていたことを忘れる、いわゆる記憶の喪失と考えることができる。この記憶の能力を推し量る方法として,系列位置効果による短期記憶の評価が心理物理学分野で多く行われてきた.通常は評価者が順番に複数の単語を読み上げ,中間順序に位置した言葉の記憶具合から短期記憶能力を推し量る.しかしながら,音声で与えられる情報に対しては瞬時の理解能力が必要となり,高齢者にとっては非常に負荷の重い課題である.また,言語の違いが国際的な評価基準の確立を阻害する要因とも考えられる。
 そこで我々は,与える情報を視覚情報として,視線検出装置と組み合わせることで,系列位置効果を評価する方法を開発した.我々の手法は記憶すべき対象を画面上に同時に表示して,被験者自身が記憶していく順を決定する.その記憶順は視線検出装置で追跡されているため,系列位置毎の情報を問うことにより,短期記憶能力を推し量ることができる.