3年次:​アナログ電子回路Ⅲ

オーディオアンプの設計製作

3年次の科目「アナログ電子回路Ⅲ」では、科目学習の総仕上げとしてオーディオアンプ(スピーカーを鳴らす回路)を設計します。差動増幅回路、エミッタ接地増幅回路、B級プッシュプル回路の3段構成で、全体として負帰還を加えています(これはオペアンプの基本構造でもあります)。設計した回路は、回路シミュレータ ngSPICE を使って動作確認された後、実装されます。抵抗のカラーコードを読み間違えたり、トランジスタの3端子を間違えたり、グラウンドをつなげていなかったり、発振に悩まされながら完成を目指します。そして、最後の授業では、実装したアンプで映画を視聴しましょう!そう、映画、テレビ、ゲームといったエンターテイメントも電気電子工学の守備範囲なんです!卒業生の中には音響機器メーカや放送局に就職した方もいらっしゃいます。人々を楽しませ生活に潤いを与える、それが電気電子工学の一つの側面です。

5年次:電気電子回路設計Ⅰ、Ⅱ

ハードウェア記述言語を用いたディジタル回路の設計製作

近年の集積回路(IC:多数の回路の集合体)は大規模化し、中に含まれる論理ゲート(ディジタル回路の基本回路)の数は数百万にも及びます。回路図を用いた設計にも限度があるため、論理回路をプログラミングのようにコードで記述して電子回路を作る、ハードウェア記述言語(例:verilog、VHDL)が最近ではよく利用されます。IC の一種CPLD・FPGAはプログラム(正確には回路を記述したコード)を書き換えることで、製造後でも中身の論理回路の構造を変化させることができます。電気電子回路設計の授業では、CPLD・FPGAを用いてディジタル回路設計を行えるよう、組み込みシステム(特定用途の電子回路)の開発工程を体験してもらいます。

5年次:メカトロニクスⅠ、Ⅱ

制御シミュレーション

ロボット、ドローン、ハードディスクドライブなど機械、電子回路、コンピュータが融合したメカトロニクス制御の概要を理解することを目的としています。歯車など機械を構成する要素全てに共通している特性は、非常に硬いバネの特性です。金属を叩くと音がするのはバネにより金属が振動しているからです。機械に振動が発生すると、期待した制御性能を実現することができません。そこで、機械を運動方程式と呼ばれる数式で表現し、この方程式をコンピュータにより解いて振動の発生する仕組みを再現します。この結果に基づいて、振動を抑制するための手段を考え、その有効性をコンピュータにより確認します。上記の運動方程式を解くために、物理シミュレータであるMATLAB/simulink を用います。