この科目では、微弱な電気信号を大きくする回路(エミッタ接地増幅回路)を設計製作します。まず4人のチーム(ホーム・チーム)が作られ、各メンバーは設計を担当する箇所(素子)が決められます。次に、全チームの同じ担当箇所のメンバーで新たにチーム(エキスパート・チーム)を作り、設計法を学びます。担当箇所のエキスパートになったメンバーは、ホーム・チームに戻り、他のメンバーに設計法を教えます。4人のジグソーピース(各素子の設計法)が集まると、一つの絵「エミッタ接地増幅回路」が完成します。専門知識だけでなく、協働のためのスキル(情報の提供と引き出し)の獲得も目指す授業です。
スタディ・スキルのノート・テイキング(ノートへの記録)の単元では、クラスが約20名ずつに2分されます。各20名は、自身が被検者になり、ノート・テイキングに関する異なる心理実験を行います。実験後、20名は4名ずつのチームに分かれ、心理実験の結果と考察をパネルにまとめます。最後に、一方の20名は他方の20名に、ポスター・セッション形式で発表を行います。そこでは、得られた事実(心理実験結果)から、ノート・テイキングのメリットについて、チームの意見が述べられます。体験的にスタディー・スキルの有用性を理解しつつ、更に、自身の理解をチーム内外の他者にどのように伝えるとより相手に納得してもらえるかも学びます。
3年次の科目「情報処理III」では、テストと実装をペアで交代して記述するペア・プログラミングを実施しています。ペア・プログラミングでは、キーボードをタイプしてプログラムを実際に記述するドライバと、横からアシストするナビゲータの二人でコードを協同執筆します。二人で協同することでテストの漏れなどが回避可能になります。テストの記述が終わったら、クラウド・リポジトリを経由してプログラムを同期し、担当を交代します。先ほどまでナビゲータだった学生が今度はドライバとなり、記述してもらったテスト・プログラムが成功するように実装を記述します。先ほどまでテストを書いていたナビゲータは、自分が書いたテストを思いながら、ドライバをアシストします。二人で協同作業を行うことで、一人でプログラムを記述するよりも効率的に作業を実施することができます。