電気電子工学コースの授業で使用する設備(部屋、機材、ソフトウェア)を紹介します。
モータや発電機の実験を行う部屋です。モータは、カメラ、スマホ、MRI、パワーアシストスーツ、プール、電車と様々な用途で動力源として応用されています。この実験室では、4年生が、三相誘導モータの特性測定と、同期発電機の並行運転試験を行っています。
高電圧実験室は、普段の生活ではまず出会わないほど高い電圧を取り扱うことが出来る実験室です。簡単に言うと雷を起こすことのできる実験室です。安全に実験を行えるように、実験装置は金網で囲われています。現在は約5万ボルトの電圧で実験ができます。
アンテナの性能を測るための特殊な部屋です。黒いトゲトゲ(電波吸収体)を壁・天井・床全面に設置し、電磁波からは擬似的に無限に広い空間に見えています。この電波暗室では3m法と呼ばれる性能評価試験が可能です。この部屋は無響室(音の反射のない部屋)としても使えます。写真の白いクッションは音波吸収体です。
この部屋にはiMac48台が設置されています。プログラミング用エディタ VS code、回路設計用 CAD ソフト EAGLE、シミュレーションソフト MATLAB、レポート執筆用 MS office と TeX などのソフトウェアがインストールされています。授業に利用されているだけでなく、放課後に学生へ開放もされています。
スマホなどに使われている電磁波に関する実験が可能な実験室です。無線信号をどんな波の形でも生成できるベクトル信号発生器と、空気中を飛んでいる無線信号を波の振動数ごとに分解して強さを測定するスペクトルアナライザが備えられています。なお、この実験室は、放課後は自習室として開放されています。
この部屋は一クラス全員で同時実験ができる大きい実験室です。ミックスド・シグナル・オシロスコープ(MSO)、直流電源、ファンクションジェネレータ(FG)、デジタルマルチメータ(DMM)がそれぞれ20台以上備えられています。この部屋は実験以外に電気工事士・電験3種の補講などにも利用されています。
この部屋では、自分で設計した回路や造形物を製作することができます。基板加工機(LPKF、KitMill)、3Dプリンタ(Pxmalion社製)が備えられています。また、上級生(Student Assistant)によるワークショップ(マイコンの使い方など)が行われる会場にもなります。放課後は開放されている部屋です。
この部屋は電気電子回路に必要な素子(抵抗、キャパシタ、インダクタなど)やIC(74Hシリーズ、オペアンプなど)、基板、ケーブルなどが置いてあるウェアハウスです。申請書類を提出するだけで、卒業研究、ゼミナール、授業、コンテストなどで必要な器材を、即時に入手できます。
材料を作ったり評価をしたりする部屋です。1500℃で試料が焼ける電気炉、薄膜試料を作る装置と微小電圧(0.000000001V)や微少電流(0.0000000000001A)で各種電気的特性を評価できる装置、照明が黄色いクリーンルーム(空気中の塵が極端に少ない部屋)があります。
結晶の構造を測定するための装置(粉末X線回折装置)が置かれています。X線を試料に照射すると、試料の原子によってX線は向きを変えます。このX線を分析すると、原子レベルの試料の構造がわかります。よって、分析結果から、自分で作った試料が目的の物質になっているかを確かめることができます。
この部屋ではワークショップ形式の授業が行われます。このため、可動式ホワイトボード、可動式プロジェクタ、付箋、(クイック&ダーティ)プロトタイピング用資材がたくさん置いてあります。普通教室の倍の面積に六角形机を配置してあるため、チームでの活発な議論をするのに適しています。
東棟の屋上には、太陽電池と日射計が設置されています。これらの機器を用いて、発電電力と日射強度などのデータが常に計測されています。蓄積したデータは卒業研究(発電量予測や故障診断の研究など)で活用されています。電気通信部がアマチュア無線コンテストのときに大きなアンテナを立てる場所としても使われます。
目には見えない電磁波を可視化するシミュレータです。CADでアンテナや基板の3Dモデルを作成し、このシミュレータに渡すとマクスウェルの方程式に従って電磁波がどのように伝搬するのかを計算してくれます。
パワーエレクトロニクスに特化した回路シミュレータです。自動車、家電、航空宇宙、再生可能エネルギーなどの幅広い産業分野において、スイッチング電源、モータ駆動、電力変換装置等様々な動作検証に使用します。
蹴られたボールの軌道は地球の重力や空気の抵抗力を考慮した方程式から得られます。しかし、この方程式は手計算では解くことができないため、コンピュータを用います。このシミュレータは航空機などを開発するためにも使用されています。
電気電子工学コースでは EAGLE (Fusion 360) を用いて回路設計を行っています。回路図上での素子と素子の接続から始まり、実際の基板への素子や端子のレイアウトを行えます。デザインチェック、電気的接続チェックはソフトウェアが行ってくれます。